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実質実効為替レートと失業率の相関を調べる

円安ってそんなに大事なのか

どちらかというと円安の方が景気に良いって言われるけど、ほんとにそうなのか気になったので失業率との相関を調べてみました。

失業率のデータ取得

就業者データと同様に総務省統計局からExcelデータを取得してpandasで読み込みます。

データ取得

import pandas as pd
import urllib.request as urllib2
link = 'http://www.stat.go.jp/data/roudou/longtime/zuhyou/lt01-a70.xls'
socket = urllib2.urlopen(link)
xls = pd.ExcelFile(socket)
df = xls.parse(xls.sheet_names[0], skiprows=10, header=0, skip_footer=3)
df.columns = ['A','B','C','D','E','F','G','H','I','J','K','L','M','N']
df = pd.DataFrame({'Total': df['J']})

日付設定

rng = pd.date_range('1/1/1968', periods=576, freq='M')
df['Date'] = rng

グラフ化

import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np
plt.figure(figsize=(10,5))
plt.grid()
x = np.array(df['Date'])
y = np.array(df['Total'])
plt.plot(x, y)
plt.show()

スクリーンショット 2016-02-22 23.36.23.png

失業率が1.0%の時代がある!! 驚き!

実質実効為替レートとは

次は失業率のグラフに実質実効為替レートを重ねます。

「実効為替レート(名目・実質)」の解説

実効為替レートは、特定の2通貨間の為替レートをみているだけでは捉えられない、相対的な通貨の実力を測るための総合的な指標です。具体的には、対象となる全ての通貨と日本円との間の2通貨間為替レートを、貿易額等で計った相対的な重要度でウエイト付けして集計・算出します。

1ドルX円とかでなくて、80とか100とかの数値で表したレート。レートが高い方が円高。

日銀から実質実効為替レートデータ取得

日銀の時系列統計データ検索サイトから1968年〜2015年の実質実効為替レートデータを取得してください。(CSVファイル、ヘッダなし)

以下メニューをたどるとダウンロードできます。(だいぶ面倒です...)

各種マーケット関連統計 (ST) > 外国為替市場 > 実効為替レート(名目・実質)

CSVファイル読み込み

df_rate = pd.read_csv("/tmp/nme_R031.633.20160222234838.01.csv", header=None)
df_rate.columns = ['A','B']
df['Rate'] = df_rate['B']
df
     Total       Date   Rate
0      1.3 1968-01-31    NaN
1      1.3 1968-02-29    NaN
2      1.2 1968-03-31    NaN
..     ...        ...    ...
573    3.1 2015-10-31  71.64
574    3.3 2015-11-30  70.66
575    3.3 2015-12-31  71.57

実質実効為替レートと失業率の相関をグラフ化

x = np.array(df['Date'])
y_total = np.array(df['Total'])
y_rate = np.array(df['Rate'])

fig = plt.figure(figsize=(10,5))
ax1 = fig.add_subplot(111)
plt.plot(x, y_total, color='b')
plt.ylabel("Unemployment Rate",fontsize=14,color='b')

ax2 = ax1.twinx()
plt.plot(x, y_rate, color='r')
plt.ylim(ymin=60)
plt.ylim(ymax=140)
plt.ylabel("Exchange Rate",fontsize=14,color='r')

plt.grid(True)
plt.show()

スクリーンショット 2016-02-23 00.56.41.png

まとめ

2000年以降は実質実効為替レートと失業率の相関は高そうです。バブルの頃は円高でも失業率に影響しなかったのでしょうか.. 現在の失業率(3%台半)は完全雇用の状態らしいです。これ以上改善されないということでしょうか今後の推移が気になります。

なるほど

数字・データ・統計的に正しい日本の針路 (講談社+α新書)

為替は2つの通貨の交換比率なので、どちらが相対的に多いかどうかできまる。円安は円がドルに対して相対的に多いということなので、日本が金融緩和すればそうなる。その一方、モノに対しても円が多い状態になるので、モノの価格は上がる。つまりデフレになりにくい。

参考

「実効為替レート(名目・実質)」の解説

時系列統計データ検索サイト

オイルショック

完全雇用

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